甘酒作り

喫茶室でお出ししている、甘酒を仕込みました。
近くに住むフサコさん(92歳)のお宅でいただいたお手製の甘酒が、”ほっぺたが落ちるほど”美味しくて、その奥深い、自然の甘さに感激。作り方を教えてほしいとお願いして、大切なレシピを面授していただきました。16年ほど前のことです。
麹菌の好む温度は55~60℃。これより温度が低いと働きが鈍くなり、高すぎると死滅してしまって、奥行きのある甘さが出ません。フサコさんはこの温度を、長年の経験から、勘でしっかり捉えられていました。すごいな、と思いました。
麹菌がご機嫌に働いてくれる環境を作ろうと、私は温度計を片手に、くり返しくり返し甘酒作りに取り組み、データを記録しました。書きためた時間と温度の数字の並びは、家庭科の調理実習帳というよりは、理科の実験ノートさながらです。
教えていただいた分量、温度などの数字は守りながら試行錯誤して、今では保温調理鍋を使って、安定した甘さを引き出せるようになりました。
もち米、麹、おいしい水-よその土地のものを使わず、自分たちが暮らす安曇野産の材料のみで作ることができるというのも、よいですね。