塩揉み
どうしたらカリカリ梅の食感をうまく出せますか?と尋ねられることがあります。
新鮮な青梅を使うこと、入念に塩揉みをすること、が基本のポイントのように思います。
少しでも熟し始めた梅は、梅割りの際に“シャキッ”と気持ちよく割れず、ぐにゅ~という手応えになってしまいます。これではカリカリ梅にはなりません。
そして、最も大切な行程が、塩揉みです。
あまり欲張らず、ボウルに両手に収まるだけの青梅をとり、粗塩を入れ、手袋をはめて、身体全体を使ってぐいぐいと揉み込みます。梅の表面が塩によって傷つけられ、緑色が少し濃くなるまで、塩が溶けて梅にまとわりつくようになるまで、強く揉み続けます。実際にやられるとわかりますが、これがなかなかの力仕事です。
カリカリ梅は鮮度が命。青梅は放っておくとどんどん追熟してしまいますので、作業は待った無し、です。
若いエネルギーを素早くぎゅっと閉じ込めるような気持ちで、梅の中の時間をみずみずしい瞬間で止めるような感覚で、毎年取り組んでいます。