梅仕事③ 竜峡小梅
カリカリ小梅(甘漬)を漬け込みました。
使ったのは、信州生まれの竜峡小梅。小梅では生産量日本一を誇ります。
紫蘇は入れず、涼やかな青梅の色のままで楽しみますが、食べやすく、自分が漬ける梅の中では一番気に入っています。
灰汁抜き→塩もみ→塩漬け→梅割り→塩抜き→漬け込み-という行程を、2日間ほどで行いますが、竜峡小梅は塩漬けの後に上がる水=梅酢 の色が、本当に美しい(写真右)。
青々とした固い実の中に、こんなにやわらかな、まるで天女の羽衣ような麗しい色を宿しているなんて…本当に不思議でなりません。
30代の頃、初めて漬けた竜峡小梅から、あまりにきれいな梅酢が上がって驚き、八百屋さんの御主人にその梅酢を見ていただきました。「ほう、これはすごい。梅の神様からのメッセージだね。こっちに受けとめる心が無いと、キャッチできないものだよ」と言われ、とてもうれしく思いました。
毎年、この初々しい色に出合うと、梅の精と対話をしているような気持ちになります。