お知らせや折々の雑記

梅仕事③ 竜峡小梅

梅仕事③ 竜峡小梅

2021.6.3

カリカリ小梅(甘漬)を漬け込みました。
使ったのは、信州生まれの竜峡小梅。小梅では生産量日本一を誇ります。
紫蘇は入れず、涼やかな青梅の色のままで楽しみますが、食べやすく、自分が漬ける梅の中では一番気に入っています。
灰汁抜き→塩もみ→塩漬け→梅割り→塩抜き→漬け込み-という行程を、2日間ほどで行いますが、竜峡小梅は塩漬けの後に上がる水=梅酢 の色が、本当に美しい(写真右)。
青々とした固い実の中に、こんなにやわらかな、まるで天女の羽衣ような麗しい色を宿しているなんて…本当に不思議でなりません。
30代の頃、初めて漬けた竜峡小梅から、あまりにきれいな梅酢が上がって驚き、八百屋さんの御主人にその梅酢を見ていただきました。「ほう、これはすごい。梅の神様からのメッセージだね。こっちに受けとめる心が無いと、キャッチできないものだよ」と言われ、とてもうれしく思いました。
毎年、この初々しい色に出合うと、梅の精と対話をしているような気持ちになります。

梅仕事② 梅割り器

梅仕事② 梅割り器

2021.6.2

梅仕事のはじまりは、若い新鮮な青梅を使った仕事です。
カリカリ梅の甘漬けは、信州ならではのもののようですが、この甘梅を漬けるのに欠かせないのが、梅割りの工程です。
塩もみした青梅を、市販の梅割り器で1粒1粒割っていくわけですが、キロ数が増えると特に小梅の梅割りは、なかなかの根気仕事です。
これは、16年ほど前、漬物名人のキヨコさんが、御主人(大工の棟梁)に頼んで誂えてくださった、特製梅割り器。絶妙な重量感と抜群の安定感で、仕事が飛躍的に早まり、おかげでとても楽になりました。
百錬自得の文字が、頭をかすめながら…淡々と黙々とテンポ良く、ただひたすらに手を動かします。

バラの花束

バラの花束

2021.5.31

お庭に咲いたバラの花を、お客さまがお持ちくださいました。
惜しげもなく束ねられた、清雅な淡い桃色の花。
どちらかというと野の花が好きで、そういうものに囲まれた暮らしをしていますが、たおやかな香り立つ花束を抱えて、この品格気高さ…“やっぱりバラは別格だな”と感じ入りました。
美しく咲いたバラの花を見ると心に浮かぶのは、浜口庫之助の名曲「バラが咲いた」です。
中でも2番の歌詞
 ぼくの庭の バラは散って しまったけれど
 淋しかったぼくの心に バラが咲いた♪
ここが、とても好きです。
大切なお花を、ありがとうございました。

梅仕事①

梅仕事①

2021.5.28

〈 先手・段取り・用意周到・念入り 〉
漬物作りなど仕込み仕事に取り組む際に大切な、4つの心構え- 料理研究家の辰巳芳子さん(96)が、著書の中で述べられています。
おっしゃるとおりと、実感します。
そして、これはなにも料理に限ったことではなく、さまざまな仕事に当てはまることだとも、気づかされます。
間もなく始まる梅仕事。毎年この言葉をしっかり心に留めて、およそ2ヶ月間、真摯な気持ちで梅と向き合います。
朝から広がった青空の下、気持ちよく準備も整いました。
今年もいい仕事ができますように…。
(写真:昨年漬けたぽたぽた梅。大粒の完熟豊後梅の甘漬け―お茶請け・デザートに)

きゃらぶき

きゃらぶき

2021.5.20

ふきのとう、つくし、たらの芽、こしあぶら、わらび、こごみ、うるい、山うど、筍…。
立春から晩春まで、春の息吹きとともに食卓を賑わしてくれた山菜たちも、そろそろ名残となってきました。
代わって梅雨入りを前に、初夏の山の恵みが旬を迎えています。
しっかりと身の締まった、みずみずしい山蕗がたくさん手に入ったので、今日は佃煮(きゃらぶき)を作りました。
毎年5月の終わりから6月の初めにかけて、5㎏ほどの山蕗をきゃらぶきにします。日々の食事だけでなく、お弁当やお茶請けにも、あるととても重宝します。
清潔な瓶に詰め分けて冷凍保存しますが、1年間、味・色・香-殆ど落とすことなく楽しむことができます。(タッパーやジップロックなどは長期の冷凍保存におすすめしません) 
きゃらぶきを皮切りに、らっきょう、新生姜、そして梅仕事etc…夏の保存食・漬物作りが、これから次々と続きます。

巣立ち間近です

巣立ち間近です

2021.5.14

この中に、一体何羽のヒナがいるのでしょう…
チィチィチィと鳴くヒナたちの声が、外まではっきり聞こえてくるようになりました。
親鳥が運んでくる餌は、だいぶ大きくなって量も増え、出入りはひっきりなし。その様子から、巣箱の中のヒナたちの成長ぶりがうかがえます。
においで外敵に気づかれないように、そして巣箱内を清潔に保つために、親鳥はヒナたちの糞を、すべて外へ運び出します。(写真:ヒナの糞は膜にくるまれて、ぷるんとひと塊になっています)
誰からも教わることなく、立派にヒナを育て上げる鳥たちの育雛(いくすう)を見るにつけ、野性動物の本能に感心し、頭が下がる思いです。
今年もいよいよ、巣立ちの日が近づいてきました。ヤマガラの子育ても佳境です。