木守り柿
「信州の小京都」とよばれる飯田市。
独自の和菓子文化が育まれ、歴史ある和菓子店が軒を連ねています。
老舗名店の秋の生菓子を、友人が出張土産に届けてくれました。
〈里の秋〉〈栗しぐれ〉〈初紅葉〉〈木守〉〈雪平〉… 初秋から晩秋初冬へと、想像が広がるネーミングも素敵です。
中でも、私が惹かれたのは〈木守(きまもり)〉でした。
葉っぱを落とした木の梢に、ぽつんと残る朱い熟柿。実りへの感謝と、来年への豊作祈願と、そして鳥や動物や旅人への贈り物として-すべてを収穫してしまわずにあえて残された、大切な木守り柿…
やさしさのこもった、ゆかしい習慣だと思います。
見てよし、聞いてよし、食べてよし、心持ちよし。
上品(じょうぼん)なお菓子、ご馳走さまでした。