お知らせや折々の雑記

たくあんの炒め煮

たくあんの炒め煮

2021.9.13

冬に漬けた牧大根のたくあんが、まだ少し冷蔵庫に残っていたので、炒め煮にしました。
牧大根は、安曇野市の穂高牧地区でとれる堅大根で、たくあん漬けにするととても美味。信州の伝統野菜に指定されています。
半日ほど塩抜きした後で、胡麻油で軽く炒め、煮干しやタカノツメを加えて、お醤油・お酒・みりんなどで味付けし、弱火でコトコト煮ていきます。
そのままでもおいしく食べられる古漬けのたくあんを、わざわざ塩抜きし、再度味付けするという手間のかかることをするので、「ぜいたく煮」とか「大名煮」と呼ぶ地方もあると聞いたことがあります。
23年前に、NHKきょうの料理から「読者が選んだ21世紀に伝えたいおかずベスト100」という本が出版されました。
1位から順に、肉じゃが→ちらし寿司→黒豆→梅干し→麻婆豆腐→カレーライス→…と100位まで続きます。
そしてなんと、この古漬けたくあんの煮物も、ランクイン。「こんな地味なお惣菜が!?」当時、とても意外に思いましたが、同時にあたたかな心持ちになったことをおぼえています。
新鮮な野菜を無駄なく生かすための漬物作りは、風土の恵みを豊かにいただく、知恵の結晶だと思います。
さらに、その漬物を余すことなく食べきる工夫を凝らした料理も、郷土の伝統食として、情緒に満ちた庶民の食として、これからも変わらず、ずっと受け継がれていくことと思っています。

『津軽のふるさと』

『津軽のふるさと』

2021.9.5

9月に入り、近くの直売所には、早生種のりんごが並び始めました。
シナノレッド、夏明かり、シナノリップ、さんさ…中でも、今一番の旬を迎えているのは「つがる」です。
店先で「つがる」を見つけると、すぐに心に浮かぶのは…『津軽のふるさと』。美空ひばりさんの名曲です。
初めて耳にしたとき-高校2年生でしたが-その歌詞にも、メロディにも、胸がいっぱいになりました。それは今でも変わりません。日本の歌謡曲の中で、私が最も好きな曲のひとつです。
円熟したひばりさんの絶唱は少々重たく感じられ、それよりも、少女時代の15歳の、震えるような美しいソプラノの歌声が、心に染み入ります。
冬の津軽平野、岩木山- いつか訪ねてみたいものです。

上高地へ

上高地へ

2021.8.27

お天気に誘われて、上高地へトレーニングに出かけてきました。
壮麗な穂高連峰の山々に、いつもながら心がときめきます…
沢伝いの緑陰の登山道-清流の色は目に、音は耳にやさしく、水面を渡る涼やかな風は天然クーラー。水しぶきが草木の香りを包みます。
五感で涼を感じながらの、心地よい道中でした。

梅仕事⑪ ぽたぽた梅

梅仕事⑪ ぽたぽた梅

2021.8.16

先月半ばに本漬けをしていたぽたぽた梅が、ようやく食べ頃となりました。
使ったのは、ぎりぎりまで木にならせて完熟させた〈木熟〉の豊後梅。1粒の直径が5cm近くもあって、見事です。
家族や友人たち、そしてお客さまにも、一番人気のぽたぽた梅。
毎年立派な実を丹精してくださるウチダさん、大切なレシピを授けてくださった天国のミエコさん、おかげさまで今年もよい仕事ができました。ありがとうございました。(梅仕事・終)

うれしい再会

うれしい再会

2021.8.11

2016年8月、剱岳で出会った星光君(写真:当時7歳)。
お父様と百名山完登を目指し挑戦中で、剱岳は83座目の山とのこと- 話を聞いてとても驚きました。
先日、光君ご一家が、松本市の乗鞍高原へヒルクライムに訪れ、帰京前に、安曇野に立ち寄ってくれました。
中学生になった光君、礼儀正しく、たくましく、心やさしい少年に成長していて、感無量。5年ぶりの、うれしい再会でした。
剱岳頂上直下の難所で、尻込みしていた私に、前を行く小さな光君がかけてくれた言葉、今でも忘れません…
「もう、行くしかないよ! 上で待ってるからね!」

光君、あのときはホントにありがとう。
勇気出たよ!

梅仕事⑩ 美味しく漬かりました

梅仕事⑩ 美味しく漬かりました

2021.6.29

今月初めに漬け込んだカリカリ梅。竜峡小梅も白加賀も、美味しく漬かりました。
走りのものだったため心配していた、紫蘇の発色も十分で、青梅に色素が鮮やかに定着して美しく、大満足です。
保存瓶に小分けして、家族や友人知人へ届けたり送ったり…楽しみに待っていてくださる方がいることは、何より作り手の励み、張り合いになります。
カリカリ梅は、その食感が命。温度が高い状態で置いておくと、カリカリ感が損なわれてしまうので、冷蔵保存してこれから1年間楽しみます。
そして、使った道具・容器を、洗って干して片付けて- ここまで終えてようやくひとつの仕事が完結しました。
気持ちもすっきり、です。